それは、ある日の夕方。
ボクは、帰宅を急いでいた。

「あの…すみません。」

「えっ……?」

不意に、女の人に呼び止められた。
高級そうな毛皮のコートを着ている。


「…あの……。」

「…うわあっ?!」

女の人は、ボクの前で、コートの前をはだけた。
中には何も着ていない…スッポンポンだ。

「私…キレイ?」

「あ…あっ……。」

突然の出来事に、思わずへたり込んでしまう。
女の人は、自分の股間をボクの顔の前に突き出す。

「ねぇ…よく見て……。」

「あ…あ……。」

ボクはその場を逃げ出そうとした。

しかし…。

「待って。」

「あ…あの、離して……。」

「キミ、可愛いわね…私のタイプだわぁ。」

女の人がグッと手を引き、ボクを抱き寄せる。
真っ白な肌…大きなオッパイが、ボクに押しつけられる。

「ねぇ…どう?私の身体……。」

「あ…あ……。」

制服越しに伝わる、女の人の体温。

「この辺で人の来ないところって、無いかしら?」

「あ、ああ…そこに、公園が…」

頭が混乱しているせいで、つい正直に答えてしまった。
女の人は、ボクの手を引いて、公園に入っていった。


そして……。

「うふふ…楽しかったわ。じゃあね。」

そう言うと女の人は去っていった。

ボクは、トイレで呆然としていた。
初めての体験に、頭の中がグルグル廻っている。
まるで…夢を見ていたような…。

…家に帰ってからも、混乱は収まらなかった。
あれ…痴女っていうのかな?ボク…痴女と初体験を……。

異常な体験に、眠れない夜を過ごした翌日。
ボクは、賑やか物音で目を覚ました。
長く空き家だった隣の家に、誰か引っ越してきたらしい。

「こんにちは。」

そう言って、にっこり微笑む女性…どこかで見たような…。

「……ああっ!!」

「はじめまして、今度、隣に越してきました、川原です。」

「あ、あああああ、あ、どうも……」

慌ててペコペコ頭を下げる。
そんなボクを見て、川原さんがくすくす笑う。
頭を上げたとき、川原さんと目が合う…
川原さんは目を細めて、ボクを見ていた…。

…そう、あの時と同じ表情で。

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