【勇 太】はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥。セーフ!!
【健 二】おはよう勇太君、今日もギリギリセーフだったね。
【勇 太】バカ言え、こう見えても今日はいつもより5分早く起きて来たんだぜ。
【勇 太】ほら、新しいセンセーが来るって言ってただろ?
【健 二】勇太君は、いつもこうだもん‥‥。
【勇 太】いーのいーの。
【勇 太】新しい先生ってさ、オッパイとか大きいのかな?
【健 二】ボクがそんな事知ってるわけないじゃない。
【勇 太】ちぇー、せっかくお近づきになろうと張り切ってたのになぁ‥‥‥お?
【勇 太】昭蔵先生の横で歩いてるおねーちゃん、見たこと無いぞ。
【勇 太】あれ、新しいセンセーじゃないか?
【健 二】‥‥あ、勇太君ってばぁ‥‥‥行っちゃった。
【理 子】わぁ‥‥学園に男の子がいるなんて、はじめてです。
教育実習にやってきた岡本理子は女子大生。
今まで共学の学校に行ったことも無ければ、積極的に男性と会話したこともない。
当然、彼氏も‥‥‥いない。
【昭 蔵】先生は若いですから、ちょっかい出す男の子もいると思いますが。
【理 子】そうですか? カワイイじゃないですか。
【昭 蔵】それならイイのですけど、わんぱく子も多いですからねぇ‥‥。
【昭 蔵】ウチの教師たちでも、なかなか‥‥。
【理 子】大丈夫、何とかなりますよ!!
「箱入り娘のあなたには大変な事なのよ」とか
「世間知らずな理子には出来っこない!」とか、周囲に言われた彼女。
でも、その反対を押し切って選んだ進路。
「だから、何としてでも頑張るのよ!」
「頑張って、いい先生になるの!!」
そう呟きながら、彼女はグッと力こぶを握る。
【昭 蔵】それなら良いのですが‥‥。
【理 子】よーし、頑張るぞ!
と、そこに一陣の風。
【理 子】‥‥‥きゃあッ?!
捲れるスカート。
慌ててスカートのすそを押さえたが、彼女にはお尻に風が触る感覚があった。
【理 子】やだ、見えちゃったかな‥‥‥。
【勇 太】‥‥‥‥‥‥。
【理 子】‥‥‥え?
ふと顔を上げる、と、そこにいたのは男の子。
見つめ合う瞳と瞳。
【理 子】‥‥‥君、どうしたの?
【勇 太】‥‥‥グッジョブ!!
やがて男の子は、満面の笑みを浮かべつつ、彼女に向かって親指をグッと突き出した。
【理 子】え? なに?!
そう言って、笑いながら走り去る男の子。
その後ろ姿を見送りつつ、理子はキョトンとするばかりだった。
理子は無事、実習を終えることが出来るのか!? |
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